強風対談2

強風対談2

 

鈴:アルバイトなんてどんなのやってきました?
エ:いろいろあるけどね、全部サ-ビス業。
サービスしないと多分死んじゃうんだろうね。(笑)なんかね。
鈴:(大笑)
エ:サービスするのってぜんぜん苦痛じゃないのよ。一番いやなのは『サービスしてて疲れない?』って云われること。水商売大好きなのね。酒好きだし。楽しくてしょうがなかったね、しかもタダ酒だし。
鈴:あたしもねえ、・・(間あって)・・モニカちゃんとかもやったことありました。
エ:へえ、モニカ?あたしなんかリサよ。
鈴:(爆笑)
エ:エミだ、って云ったんだけど、エミってだいたいどこにでももういるのよ、で、だいたい美人じゃないわけ。
鈴:えー!!(爆笑)
エ:で、そういう理由で『サヨコ』って時もあった。(笑)

ここで中川五郎さんより電話が入る。

鈴:『あ、どうも!ええ、今?対談です、ていうか飲んでるだけなんだけど、公園で。
え?エミ・エレオノーラさんと。羽根木公園の梅のところ。え?ご近所ですよね。
エミさんがお酒買って来て、って云ってます。(笑)ぜひいらして下さい、お待ちしてます。』
エ:いい季節だよねえ、しかし。
以前ねえ、ハワイに行った時に、向こうの人が、なんでみんなハワイに住まないんだ、って云うわけ。常春で、いつも天気がいいのにって。で、けっこうそのとき小説書き終えて疲れてたから、ハワイに住んじゃおうかなんて思ったりもしたんだけど、でもねえ、やめたね。
鈴:なんで?
エ:タワーレコードが『ヤマザキパン』くらいの広さで(笑)凄く狭いの。で、マイケルジャクソンとマドンナしかないの。ギャラリーと云えばラッセンしかないわけ。あたしのような屈折した音楽は要らないんだと思ったのよ、ああいうところは。
鈴:ああ、なるほど。
エ:アキちゃんは、アレだよね、バカ明るい、ってカンジじゃないよね。暗いっていうんじゃないんだよ。うん・・。なんかキャラみてると、ネアカなのに。底抜けに明るそうなんだけど。
鈴:え、そうですか?(のちに、それは相手がエミさんで、いつも笑いこけてしまうことに気がつく)
エ:うーん。でもウタ聞いてるとそういうんでもないんだよね。そこに共鳴したのかもしんない、あたしなんか。
鈴:うーん。うれしいなあ。でも自分で云うのもヘンだけど、結構屈折してるんだと思う。
エ:へえ、そういうかんじしないけどねえ。
鈴:うん、出にくいんです、というか、ヒタカクシ、かも。
エ:へえ、それは・・・(間があって)・・いいねえ!
エ:(大笑い)
鈴:エミさんは、ステージみてると、しばらくピアノ弾きまくって、最後のほうに言葉がでてくるでしょ?
エ:ときどきすごい暗いのが出てくる時あるよね?
鈴:というか、あの言葉がなんかね。けっこうどんずまりの言葉、というか。残る。哲学的なの。

 

エ:ぜったいさあ、表現てさ、セクシャリティと一緒で、ゲイとかレズとかストレートとかだけじゃないみたいに 一言でいえないものなのよ、明るいとか暗いとかでは。
暗いんだけどコレをヤケクソで明るくしてみよう、とか、明るいんだけどコレを暗くしてみよう、(笑)とかさ。
鈴:そう(笑)!
エ:いろんな時があるの。なんでだかわかんないけど。
アキちゃんとあたしはさあ、ヒトからみたら全然接点なさそうだけど、やっぱりあるんだと思うの。
鈴:あたしもそれを感じた!
エ:感じた?
鈴:感じた。感じた。
エ:だから、すごーい暗いってとこのものを、明るいところにもってく、みたいな音楽が好きかな。
鈴:(共感)

カラス アワ、アワ、アワ

鈴:カラス アワ、アワ、アワ
エ:うちはねえ、商売やってたから、けっこう浮き沈みが激しくて。
良い時はいい、ダメなときは家を売る、(笑)みたいな。でも愛情はすごく恵まれてたな。
鈴:そんな感じしますよ。ステージ見ていても。
エ:子供の頃ね、親とよくこうやってお昼御飯を庭で食べたりしたんだけど。絶頂体験というか。
鈴:もう、幸せで幸せでイってしまう?
エ:そうそう、そういうのがあったのね。それって恵まれてるよね、すごく。兄がいてね、姪っこと甥っこがいてさ。姪っこは友達と来たよ、ライブ。で、『どうも、叔母です。』なんて挨拶するわけ。
鈴:(爆笑)あの格好で!
エ:そう、あの格好で!(笑)。アキちゃんちなんかはどうだった?
鈴:うん、家はねえ、両親とも、愛情がないわけでは全然なかったんだけどそれを表現するのが下手な人たちで、あるときまで自分はそれ(愛情)がないところに生まれて来た、思ってた。その後、全然そんなことなかったとわかるんだけど。でもそういう愛情問題とは別個に、家の職業についていろいろ考える子供だったので、それが唄をうたうのとつながってるようなところはあるかな。
エ:ああ、でも、年とともにねえ。自分の最初のところを意識するようになってくんだよね、より。どんどん。家庭とかさ。
鈴:そうそう。

 

エ:欠点てあるじゃない、なんでも。育った家庭とかでも。別に家庭のせいにするって意味じゃないけど、影響はあるよね。
鈴:うん。で、持ってうまれた性分、ていうのもあるしね。
エ:そう、一概にいえないよね。運ってあるからね。運って、要するに家庭環境だね。
鈴:そう思う。
エ:でさ、おっきくなって、っていうかもういい年なんだけど(笑)、思うのは、
運って、変えられるんだなって。親とか親戚とか以外に、いかにいろんな人と出会うか、いろんな体験するかで。変えられるんだよね。海外ツアーとかはだいたいデミセミのメンバーよりひとりだけ早く行ってるんだけど。やっぱり親は心配するじゃない。で、いろいろ送ってくるのよ、これでガンもなおりました、みたいな健康飲料とかさ、手紙とか。(笑)で、あたし絶対空港でつかまるんだけど、
鈴:(笑)
エ:なんだ、この薬は、とか、なんだこの手紙は、あやしい、ってことになって、通訳の人が出て来て訳させるの。そうするともうこの人は絶対に悪い人じゃない、ってことになって、通してもらえるの。『エミ、あなたがんばりなさい、体に気をつけて』とか書いてあるからさ。あはは。友達からの手紙にもお守り代わりに持ってったりするんだけど、『エミちゃんは良い人だから』とか書いてあって。でもさ、テロリストには見えないよねえ?
鈴:ねえ。でも手紙まで通訳させるなんて、そっち系的にあやしいってことかな。
エ:荷物全部見られるんだけどね。
ビオフェルミンとか、粉おしろいとか。なんだこのホワイトパウダーは、とかって。衣装もすごいしね。ペニスバンドとかあるからさ。なんだこのペニスは、みたいな。(笑)
で、母の手紙で救われるんだよね。あたしは家庭環境が今、良い方に出てるんだね。
鈴:それはすごくわかる。そういう人って見てると安心する。
エ:その絶頂体験みたいのがあるからさ、ドラッグ要らないんだよね(笑)

そこへ中川五郎さんワインときんぴらごぼうを持って登場。
風が強いので少し移動。
ベンチに座る。

鈴:あはは、なんか、みんな明るい中で会うとテレるよね、夜しか会わないから。
中:あ、すごい、ごちそうじゃないですか。あ、マイクとかちゃんとセットして。
エ:そ、これアキちゃんの『番組』だから。変態さんいらっしゃい、とかそういう番組じゃないでしょうね。
鈴:中川さん、エミさんのおにぎりいただいて!
中:わ、すごいすごい、これ食べれるの?
エ:あ、それは食べれない。それはアキちゃんにあげようと。スーパーボールね。
鈴:それにしても、中川さんもエミさんもお酒強いですよね。量もすごいし、ペースも早いし。
エ:うん、そうだね。内蔵とか全然壊さないし。

 

中:ぼくはでもよく記憶なくすよ。今日はテーマは何語ってるの?
鈴:特には。この企画、とにかく流動的にいこうと思ってて。
エ:あたし語ろうって云われたら語れちゃうのよ。マジメな話とかできるのよね。あーシアワセ。人に見せたい、私達のこの健康的な・・健康的っていうのか。デミセミのライブってやっぱりすごく神経が興奮するから。でメンバーそれぞれそれをクールダウンするやり方が違うから。じゃあ、アキちゃんについて語ろう。
中:そうしようそうしよう。
エ:じゃ、アキちゃんですけど。こないだのオージャスの酔っ払いライブ!!
鈴:あはは!!あれねえ。
なんか今日エミさんと一緒なんだと知ったら、
それだけでヒモがスルスル抜けちゃったみたいなかんじで、飲んじゃって。
エ:なんかねえ、ピアノの前座って、気持ち悪い、とか云ってて。でも演奏はちゃんとやってんだよね。
で、何にもしてない時もゆらゆら左右にゆれてんの。
チンパンジーのモモちゃんみたいだった。
モモちゃんね、エサを前にして『おあずけ』って云われると、どうしてもゆれちゃうのよ、左右に、ゆら ゆら。

 

鈴:なんか、あんまり覚えてないんだけど、その後エミさんが演って。
エ:そう、次あたしがやって、ほら、ちいさいから(スズキアキが)最初わかんなかったんだけど、ステージのわきの方で、でんぐりがえしとかやってんだよね。
中:へえ!じゃなにか二人で一緒にやれば面白いかも。
二人:ねえ。
エ:『でんぐりがえし』とか。
一同:ゲラゲラ
鈴:『組み体操』とか。こないだ『エレオビクス』、面白かった!!
エ:あれね。あのあと腰痛くなっちゃって。ハリ行っちゃった。

 

●●この後、この酔っ払い企画は夜9時30まで続きました。
はじまりは午后1時半です。
エレオビクスが何か知りたい方、ぜひエミ・エレオノーラを生で見て下さい。
でも同じことはもうやらないかもな。
テ-プ聞いてて思ったのは、スズキは始終食べっぱなしで、つねにモグモグ云ってて、
とてもゲスト(こんなすごいゲスト2人も)をエスコートする、
なんて状態じゃなく、大変カッコワルく失礼だったのですが、
はてしなく幸せにしてもらってしまいました。

fin