レ:でもそのとき、
この人たちガッカリさせちゃ悪いと思って、
無理矢理『オーチャードでやる』って云ったんだよ(笑)
ス:(笑)
レ:でも、日本にもオペラ座みたいなのがあったらいいな。
ス:あたしもさ、前、
事務所所属を考えるような機会があってさ。
でもいよいよ所属しましょうって時に、
作文書けって云われたの!
5年後の私はこうなっている、みたいなやつを。
レ、カ:えー!?
レ:ヤダね。
ていうか、その時点でもう、セ、センスないよね。
ス:だし、なんにも浮かんでこないの。
で、結局書かないでそれっきりになった。
どうやら、あのとき私が求められてたのは、
今もベストセラーになる本には、ナントカになる8つの法則、
みたいに、数字が入ってるらしいんだけど、それみたいに、
何年後に何枚売れる、誰ぐらいのポストになる、
ってことだったみたいなんだよね。
レ:わー!!
ス:それが、『具体的に書く』ってことだったらしいんだよね。
まさに、『セオリー』にのっとってるよねえ。
そりゃ書けないわ(笑)。
レ:なるほどね。でもまあ、
そういうので示さないと分かんないってことだよね。
ス:分かんないんだね。そりゃそうだよね。
今思うと、そういう発想も無理からぬと思うけど。



レ:でも、分かりやすく提示して、(先方が)やり手で、
ノウハウもいっぱいあってさ、
その提示のとおりにしてくれるんなら、
提示してみてもいいね(笑)
ス:(大笑)いいね!・・・でもさ、する気もないのに、
云わせるだけ云わせるんだよね(笑)
レ:そのやり方が、受け売りっぽいよね、
オリジナルじゃないよね。
ス:そうそう。マニュアルっぽいよね。
そういうの、流行ってたからね。
レ:でかい目標持たなきゃいけない、みたいなの、ヤダね。
ス:けどさ、図らずも、オーチャードホールはいいね。
ピアノもちゃんとしてるだろうしね(笑)。
レ:そうだね。あそこは今工事中だけど、
Bunkamuraは好きだな。
映画館とかも。
ス:そうか、じゃあアタシはどこでやるかな。
カーネギーでやる人って、たまにいたっけかね?・・・
じゃあ、初台のオペラシティ。
レ:あ、あそこもいいよね。
ス:じゃあ、アタシオペラシティ。
玲さんオーチャード(笑)。
けどさ、アタシ、なんか、
お客さんがでろ~っとできるところがいいなあ。
ソファとかあってさ。



レ:あ、ニューヨークで、もうなくなっちゃったけど、
老夫婦がやってる、
小さなオペラ座みたいなのを旅先のテレビで見てね。
ふだんテレビ見ないから、
旅先だとホテルで見たりするんだけど。
日本にもこういうところがあったらやりたいな、と思った。
ス:へえ。
レ:でもさ。5年後とかさ、
先の目標を持つことがいいとされてるじゃない?
ス:うん、その、いわゆる自己啓発みたいなヤツね。
レ:うん。でも、目先のことで、い、い、いいかなって・・・。
思っちゃうんだよね。
ス:あたしもそうっ!そう思っちゃうことが、まず、
・・・アレなんだろうけど(大笑)。
レ:でもねえ、それね、やっぱり旅先のテレビで見たんだけど、
玉三郎さんが『とにかく日々のことを精一杯やってゆくこと』
って云っててねえ。
ス:(ヒザを叩いて)それだよねえ!!
レ:ああいう人はホントに毎日のように演るじゃない?
終わったらすぐ帰って、マッサージなり受けて、っていう・・・
ス:うん、『職人』的なね。目先のことを淡々と、ってね。
計画計画って、旅行とかも、あそこ行ってここ行って、
って全部決まってるのってヤダよねえ。
合理的なだけじゃん。
レ:うん。で、その番組は、
玉三郎さんの家の中まで密着取材してるんだけど、
・・・いつも妙な部屋着を着てて(笑)
・・・それもかなり印象的なんだけど・・・ミッソーニかな、
なんか・・・
ス:(笑)色とりどり、細かい柄の・・・?
レ:(笑)そう、ゴブラン織りかなんかの・・・で、
目先のことをやるだけです、
っていうのがすごくストイックでカッコイイなと思った。
ス:(感心して)うーん。
・・・(キャラぶきを食べて)これおいしい。



レ:(これまで話題に出た有名人諸先人たちについて)でも、
すごいよねえ。ああやってちゃんと息長く、
いつも動員もちゃんとあってさ。
ス:すごいよねえ。
『ゴメンなんか今日はこういうことになっちゃった』
みたいなの、ないんだろうね。
レ:まあ、小さくは本人的にはあるんだろうけどね。
最低レベルってのが高いんだろうね。
ス:うん。そうだね。
そういえば、風ないス対談、こないだは風なかったけど、
今日、風がナイスだね。
カ:金ないす対談?
ス:風ないス。いや、こないだ玲さんちの近くの公園で、
実はやったの。
昼の日なかに汗だくになってつきあってもらったんだけど、
あたしがねェ、へましてねェ、
これ(ボイスレコーダー)のデータが消えちゃったの~。
で、今日やり直してもらってるの。
ま、金ないスでも、間違いじゃないんだけどさ。
レ:そう、公園がスゴイ暑かったからさ。
ウチに来て涼んでもらったの。
で、うちのエアコンて
『風ないス』ってボタンがあるんだよ(笑)。
ス:そう、それでタイトルは『風ないス対談』だね、って。
満場一致(笑)。



レ:ほんと・・・金ないっスよね~!
ス:もう、どうしよう?
レ:アタシも、どうしよう。
ス、レ、カ:一同爆笑
セミ:ミーン、ミーン、ジージー、シンシンシン・・・
レ:・・・いいねェ~、セミが鳴いてる・・・





(玲さんトイレに行く)
カ:風ないス対談、だね。
ス:ほんと。
カ:あらためて話すって、緊張しない?なんというか・・・
ス:ああ、うん。緊張っていうか、
‘あらためて’って感じになることある。
でも玲さんとはいつもそうなの。
二人で女のナカユビっていうユニットみたいなものを
たまーにやるんだけどね。
カ:うん。
ス:ほとんど日程だけ決めて、あとは打ち合わせも何もしないで、
当日リハなの。で、たまにあうと、
お互い敬語とかつかっててさ。
たまに会うとテレるんだよ(笑)。
カ:うん。うん。
ス:何か一緒にやる相手としては、そういうのっていいんだよね。
カ:うん、同性同士で距離感がある程度あるって、いいよね。
ス:そうそう。

(玲さん、戻る)
ス、カ:じゃ、行こうか。
ス:(お店の人に)ごちそうさまでしたー。
店員:あ、あと1300円になります。
ス:あ、全部キャッシュオンで払ってありますよ。
さっき、ここに置きました。
店員:あ・・・そう・・・?そうッス・・・ね。はい。
レ:(こっそり)食い逃げの疑いをかけられた(笑)
ス:かけられた(笑)いくら金ないス対談でも・・・。

(一同、笑いながら店を出て、歩く。ひぐらしの声)
レ:いい声だ。
ス:・・・ほんと。

対談後記■1,矢面に立っている人と、2,スズキの手作り弁当で、3,野外乾杯しながら、4,風にちなんだタイトルをつける、という企画なのですが、今回はそういう(スズキがデータ消失した)ワケで、そば屋にて、二度目のおしゃべりとなりました。明日から8月になろうという時節なのに、スッキリさわやかな一日で、二度対談冥利に尽きたのでした。玲さん、楽しい時間をありがとう。文さん、ナイスな写真、ありがとう。柴草家の不思議なエアコンに、乾杯!