薫風(くんぷう)対談 (2/2)



西   アコちゃんはさあ、どうやって詩を書くの?
鈴   アタシ〜?(笑)教えて欲しいくらいですよ。
西   いや、発作的になのかさ。
鈴   ああ、そうかも。たまにしかこないからさあ、そんな発作。
西   ゼイタクだなあ、おい。そう云ってるのは。
    え、恋の絶頂期かさ、失恋の時 とさ、
    それから恋の予感(嬉しそうに)のときかさ。
鈴   あ、でも予感の時期は大事ですねえ。
    想像力もすごいしねえ(笑)。
西   いやいや(笑)。
    ボクもちょっとはそういう経験してるからさあ(嬉しそうに)。
鈴   あ、こないだ飲んだとき酔っぱらって喋ってましたよ,
    いろいろと(笑)。でもねえ、そのあとTさんが、
    『人数が増えてる』って云ってました、アハハハ。
西   そりゃそうだ、釣った魚と同じなんだよ(笑)
    前はこのぐらいって云ってて
    どんどん大きな魚になってくんだよ、云うたンびに(笑)。
    ゲージュツカはウソつきだから(笑)。
鈴   (笑)ひとつ言えることはねえ、
    アタシの場合は、気持ちの波がロウからハイに変わる時に
    (歌が)できることは確かですね。
西   そうだろ?ロウのときはダメだよなあ?
鈴   そう。で、やっぱりライブなんかはハイだから,
    ライブばっかりやってるときって
    あんまりできないみたい。歌が。
    両方がないとね。意識的に隠るところも確保してるかも。
西   なに、どうやって出てくるの?
鈴   アタシは全部が一緒に出て来ちゃうから・・
西   いいじゃない、ラクで。
鈴   いや,全部がちょっとづつ散らばってるの。
    それを『いっこ』にまとめるのがすっごいタイヘン。
西   『建築』型、かもな(笑)。今思い付いたんだけどさ。
    『刺繍』型と『建築』型。
鈴   『建築』ですかあ?
西   オレは『刺繍』型だなあ。
鈴   ?でも結局さ、最後はそれするしかないでしょ。
    どっちみち。
西   そう、そう。作業ってそうなんだよ。
鈴   どういう風にはじまろうと、最後は刺繍するしか。
西   発想としては建築ってのもあるけど、作業としては刺繍だな。
鈴   みんな良く『降りてくる』って云うけどさ。
西   あんなのウソ、ウソ。
鈴   (興奮して)ねー!! 私もそう思う!
    ・・下からくるんだよ(笑)。
西   瞬間的にひらめくってことはあるけどもさ。
鈴   一時、がんばらない、っていうのが流行ったけどさ。
    でもあるところではやっぱしがんばんないと。ズー。
西   やっぱり作る時はね。がんばんなきゃね。
    音になんないよ。



鈴   絵は子供の頃から?
西   ちがう、ボクはねえ、絵がヘタでねえ。
    ずっとコンプレックスだったの。学生のときとかさ、
    いるじゃない、マンガのうまいやつとかさ。
    コンプレックスだったねえ。で、ある時、ほら、
    写真なんか撮ってると人の顔とかいろんな『もの』を
    じっくりみてる内に、描けるようになってたんだね。
鈴   ふうん。
西   突然ね。それからずうっと描いてる。ボクがね、
    唯一できないのは『音でモノを考える』ってこと。
    聞けばわかるんだけど、
    どうして音で雨だれとかそういうことが
    できちゃうのかさ。
鈴   ところでいつから東京に住んでるんですか?
西   ボクは大学。
鈴   大学で何をやってたんですか?
西   エ、エ、英文科!
鈴   えー!うそ。
西   ホント。英語の文学をやるんだよ!
鈴   それは分かる(笑)。あと,聞きたいのは、
    『ハツコイ』(笑)。
西   いやあ,そんなの云ったって面白くない。
鈴   え、散ったんですか?
西   何が?
鈴   ハツコイ
西   (笑)そりゃ、とーぜん、ふふふ、
    初恋をまっとうするなんて・・・
    て云う人もいるんだよな、ときどきな。
T    いつも初恋なんでしょ。
西   そういうのは『スケベ』、っていうんだよ(笑)。
    オレはね、フラれた後の感じがね、すごい快感だね。
鈴   とかなんとかいって、フラれると気が楽になるんでしょ?
    いろいろ。それがいいんじゃない?(笑)
西   そう問いつめないでよ。(笑)

    この後、しばし『スケベトーク』。



カラス カア、カア、カア
西   (Tさんに向かって)ライカはいいねえ。
    これはなんつったって丈夫。
    砂漠やなんかへもってくと良く分かる。
鈴   へえ。アタシ砂漠好き。
西   オレだってそうだよお。砂漠の紀行文とかたくさん書いたよ。
鈴   何に?
西   何、って、ごにょごにょごにょ○×◆◎?・・
    覚えてないけどさ、そんなのいちいち。
鈴   覚えてなさそうだねえ。
    私もこのあいだ(西川さんの)本(『悦楽的男の食卓』)を
    やっと古本屋で見つけて。
西   そうだよお、60冊以上何やかや出してるんだから。
    忘れちゃうよお。



鈴   (日が陰ってきて)なんか、日陰になってきましたね。
    移動する?
西   しょーがねーよ。・・・日陰の身なんだからさあ(笑)。
T    なんかオレ酔っぱらって来た。
西   オレはねえ、アル中になっちゃうんじゃないかって、
    すごい不安。
鈴   ええ?自分が?全然そんな心配なさそうだけど。
西   あるよお。
鈴   あれはやっぱし脳からでるホルモン?
西   弱さだね。オレ弱いからさあ。
鈴・T  大爆笑 えー、弱いのお?
西   うん、弱い。全て弱いね(笑)。
    いつもコントロールしてるんだよ(笑)。
    気を使ってさ(笑)。
鈴   (笑)あたしも実はねえ、遺伝的にそんな危機感があってねえ。
    で、春先になるといつも自粛しようかななんて思ったりする。
    思うだけだけど。
西   人間てやっぱ弱いんだよ。だからさっきのセミナーとかで
    こう生きるべし、みたいなのは、そんなもんじゃねえ、
    って思っちゃう。
鈴   うん。私もいろいろあっても結局は、『まあどうでもいいや』
    って思うのは血筋のそれがあるからなんだと思う。
    しょうがないじゃん、て。
西   そうだな、あの『ふてくされ』には、豊かさと同時に、
    何かを見たな、っていうのが出てるな(笑)
鈴   (笑)ズー。持って生まれたものはねえ、
    いつか何かの形ででちゃうんだね、隠して死ぬことはねえ、
    できないんだよ(笑)。。

    皆、かなり酔って来ている

西   アル中の本をね、書こうと思ってる。
鈴   ああ、みんな必要としてるんじゃないですか?
    そういうね、心の問題をね,
    『こうすればいい』とか答えをアレするんじゃなくてさ,
    『まあいいじゃん』て方にね、持ってくようなのが。
    ね、いつもこの対談、風にちなんだ名前にしてるんだけど、
    今回は何にしましょう?
西   じゃ、酒にちなんでね。薫風。薫風ってさ、
    ちょっと酔った時のホラ、辞書引けばあるけどさ、
    辞書引かないとわかんないからさ。クン、って、
    あの、クンって・・教養があると大変だな、オイ(笑)。

    

●●花粉大量に舞う、春先の公園にて。
いつもながらテ−プおこしをしていて、ワタクシのしゃべり方には、
なんと知性が感じられないのだろう、と思いつつ、
あの日の 雰囲気が蘇ってグラスを手にし出したら、自粛はどこへやら、
テープおこしが終わる 頃には、そうとう酔っぱらっておりました。
あの日はこのあと、西川さんとカメラのTさんと私の3人で
フラフラしながら某バー に移動。
西川さんはさらにドライマティーニをたくさん飲んでいました。
結局2時から終電まで飲んでいたことになります。
それにしても、西川さんて、なんでこんなに可愛いんだろう!(失礼)。
こんど飲 む時は、恋人の数が1.5倍に増えていそうです。
あと、和歌山、静岡、宮崎の皆さま、あれはホメ言葉です。
またお邪魔します。

                2005年3月26日 都内某所にて。

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