<25>風呂の栓

<25>風呂の栓

10月16日の四ッ谷のコンサートでは、たくさんのご来場、みなさま本当にありがとう。
また淡々といつもの調子に戻ります。

風呂の栓について。というか、旅のお伴について。

旅に出る時、必ず持ってゆくもの
●万年筆、替えのインク、その万年筆で書くための硬い表紙のノート。
●ナンバーロック2つ3つ。
●荷造り用テープ2メートルくらい(手で破けるもの)。
●歯ブラシ(山切りカットの日本製)。

爪切りなどの日用品も、使い心地の悪いのは、旅先で口内炎や爪割れになったりするので、必ずこっちから持ってゆく。
最近の何度かの旅で、これは必需と思ったのは、風呂の栓だ。ひとりでする旅は疲れる。安宿でもせっかくバスタブがあるなら、ゆっくりとつかりたい。だけども、意外にバスタブはあっても栓がない、ということがおうおうにしてある。
レセプションで風呂の栓はないか、と聞くが、その土地にあんまり風呂につかる習慣がなかったり、バスタブは単なるシャワー受けという感覚だったりで、変わったこと尋くなあ、という顔で、NOと云われることが多い。
そこで、つぎ旅するときは、風呂の栓を持って出よう、と考えた。

家の近所の、全体的にうっすらホコリをかぶったほうきとか鍋とかを売っている商店で、風呂の栓を見せて下さい、と云うと、どこのメーカーのどの型番ですか、と聞かれる。いえ、海外の旅に持ってゆくんです。はあ、どこのメーカーの風呂おけでしょう?(知るか!宿を予約する時にいちいち風呂桶のメーカーと型番を尋ねられるか)いえ、旅用なのでサイズフリーがいいんです、例えば小さめの玉の上にペロっと弁がついているようなのだと、いいと思うんですけど。
当然のことながら、ワケわからぬことを具体的に云われても、という顔をされる。
意外に風呂の栓て難しいものなのかも知れない、とあきらめかけつつ、東急ハンズへ行ってみると。

なんと、サイズフリーの風呂の栓(正確には3段階調節可能のもの)があった。おお!需要あるところに供給あり!やはり同じようなこと考える同胞がいたのだろう。
正式名称は『お風呂用万能ゴム栓:心配ゴムよう!大中小のキャップ付きほとんどの穴にピッタンコ!』というものだ。お値段¥1,449 。
買った。
これを持って早く旅に出たい。早く使ってみたい。ヒトはなんと小さなことに愉しみを見い出すものだろう。
でも、3段階のどれにも、外国のバスタブの穴は規格が合わなかったりして。それを確かめに、私はわざわざ大枚はたいて何時間もヒコーキに乗って、旅をする。

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