<27>春の雑草
- 2005.04.01
- column
八重桜ぼってり垂れるピンク調
・・・春である。
感慨深い。春が来ると毎年思う、ああ、やっぱり今年も春が来たものだ、と。夏生まれのせいか、そして夏には郷の祭りがあるせいか、やはり夏を頂点とする節があり、春が来ると微かに焦るような、ああ本番が来てしまう、というような、そんな気分になる。一方、きっと若者は夏の湘南にナンパの夢見てこんな気分になるのだろう。
春である。
毎年この季節に静岡から送られてくる,忘れたが、なんとか、という農園の甘夏の、今年は特においしかったこと!去年の夏の猛暑と関係あるのか。酸味も甘味も水分もたっぷりで、なんともぜいたくな味だった。
春である。
またクレジットカードの会社から、いつもの文句『残念ながらこの度のお申し込みは・・・また次の機会に』という手紙がきた。要するに、君は信用できないから入れてやらない、理由は聞いても教えてやらないからそのつもりで、というものだ。ならばいっそ、そう書き給え。入れ入れと云っておいて。
でも、不思議なことに、私には世間の信用がない、とあらためて知らされるのは、ちょっとすがすがしくもある。
音楽仲間は同じくカードを持ってないかというと、それがほとんど皆持っている。私よりちょっと稼ぎはあるかもしれないというのもあるが、聞いてみれば人に過去ありで、はるか昔勤め人だった頃に作ったものだったりする。ちなみにいわゆる、テレビで流れるようなヒット曲があると、簡単にカードが作れるそうだ。けっ。
春である。
となりの空き地に5階立ての賃貸マンションが出来るらしく、毎日ガンガン、ギンギン、大騒音に眠りも浅い。わずか80センチの隣でやってるおかげで、私の東の窓がすっかり潰れることになった。なのに、家賃は『景気の諸影響により』2000円値上がりするという。今さら何だ。
・・・と思っていたら、隣はどうやら私と同じ高さの4階までの間違いだったらしく、しかも同じ4階立てでもちょっと低めのようで、東の窓には隣の屋上が、まるでワタクシのベランダのように広がるらしいことになった。許してやろう。
春である。
日々いろんなことがある。この世の皆に等しくいろんなことがあることだろう。大きいのから小さいのまで。
そのうち、賃貸契約の更新料とか、体に害のない歯の詰め物には保険が効かないとか、そういう貧しい発想がこの世から消えるのを夢みて、ワタクシは今日もマグロのアラを食う。
・・・と、ここまで書いたら、パソコンから線香花火が出た。ちょっとした煙と共に。
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