とっぷう対談2

とっぷう対談2

ス:お客さんと話す、話さないの話なんだけど、私は多分すごく無防備に喋ってるように思う人もいると思う。
ふ:いやー、でもさ、そういう風に思わへんと思うけどな。
ス:まあ、主観とまた違うからね。歌ってると、ホントに、主観と客観が違うことがよくあるから、このごろは以前ほど主観にとらわれなくなったけど。


ふ:アキちゃんは、話しかけにくい、っていうか、実際に『動く』ところ見ると、途中でヘンなコーナーがあったりして(笑)、あ、案外この人話しかけても大丈夫かもって
ス:(爆笑)
ふ:そんな感じと思うけどなあ。
ス:ふうん。ま、わりとそういうようなこと、云われなくはないです。もっと怖い人と思ったとか、難しい人と思ったとか。

ふ:そう。まさかこういう(魚河岸シャツで女将をやってる)イメージとかないと思うもん。書いてることも、例えば『さくらえび通信』とか読んでも、ちゃんとしてるというか、完成度が。
ス:ああ。多分それは完成度っていうよりも、これ(料理)みたいに、やりすぎるじゃないけど、・・・‘すごい’ やっちゃうんですよ。
ふ:わたしも、しょうもないことしか書いてない新聞(『ふなととふちがみ』)の線とかが0.5ミリくらいこっち、みたいなのをやり直したりするから、それって、たとえば船戸さんみたいな人からしたら
ス:なぜソコに(こだわる)!?って
ふ:そう、あんなに部屋が散らかってるのに、って。
ス:あはは!そこら辺はねえ、8月4日生まれの二面性ってことで!

ス:自分、いつまで歌ってられるんだろう、とか考えること、あります?
ふ:あるある。それは昔からすごいある。だいたい自分の聞いて来た歌手の人、歌謡曲の人とかでも、40過ぎるとみんなビブラートかけたり、崩して歌ったりするから、そうでない人を聞くと嬉しくて。
ス:ああ。やっぱしねえ。
ふ:でも加山雄三さんとか、あと時々女の人でも、崩さないでやってる人もやっぱりいて、そういう人がいるとすごい嬉しい。
ス:なるほどねえ。私は昔は、のどのことばっかり気にしてたけど、このごろ、さっきのグルコサミンじゃないけど、指の関節炎になっちゃって、ピアノが・・・。(手を見る)あ、でもちょうど関節炎で腫れてるとこが、蚊に刺されちゃって、腫れてわかんなくなってるや(笑)

(このあと、もろもろ健康話)


ふス:バチン、バチン(蚊を捕る)
ス:すごい二人とも外しまくってる…‥
ふ:しかしようこれだけ(料理その他)持って来たな
一同:(笑)
ス:やっぱしね、基本好きなんだな、こういうの。お調子者、っていうか。

(二本目のワイン開ける)


ス:あとね、あんまり人に云わないようにしてるんだけど、何でも再利用してから捨てないと気が済まないところがあって、スリッパを作ってるんですよ、古い洋服とかで。で、それを、まあ押し付けちゃ悪いなあとは思ってるんだけど、人にあげるわけ、お歳暮です、とか、お中元です、とかって。
ふ:あはは。
ス:で、問題は、フィードバックがないこと(笑)。私としては、もっとここがこうなってた方がいい、とか、教えてほしいんだけど。
ふ:じゃ、わかった、こんど一個ちょうだい。
ス:ホント?喜んで!モニターさんやって下さい(笑)
ふ:じゃ、それでフィードバック何にもなかったら悟って。『ああ・・・』て(笑)
ス:放置なんとか、ですね(笑) じゃペアで、船戸さんの分も送る!
ふ:ペアで!(笑) 船戸さんはぜったい何かリアクションあるよ。
ス:ここがキツい、とか?
ふ:じゃなくて、ありがとう、とかそういう感じの。ツイッターとかで。
ス:ふちがみさん、そういうの(ツイッター)やってないの?
ふ:あたし、やってない。無理。・・・こんなんで大丈夫?
ス:え?何が?会話?
ふ:そう。
ス:あ、大丈夫、大丈夫(笑)

ふ:じゃそろそろ『めで鯛』(鯛押し寿司)に行っていいでしょうか?
ス:行きましょう、行きましょう。
こんなヘンな時間帯にさ、蚊に食われながら外でご飯広げてる人なんていないよね(笑)?
ふ:平日やしな(笑)。でも、ここ、うるさくないのに淋しくないし、いいね。
ス:こういう空見たの、久しぶり。
ふ:あたしも。

(田植えの話から、天気、環境の話になり)

ス:そうだ、今日ぜったい聞きたかったのは
ふ:うん?
ス:ふちがみじゅんこから見た世界の今後、なんですけど(笑)
ふス:ワハハハ!
ス:例えば、去年とか、世界が終わるとか云ってたでしょ?でも今いちおう生きてるじゃないですか。今後どうなると思います?
ふ:うーん、今日も新幹線の中でニュース見たけど。フランスと日本がやっぱり原発がんばって行こう、みたいな感じだけど・・・

ス:バシッ(ふちがみの背中の蚊を捕るため、背中を思い切り叩く)あ、すいません(笑)

ふ:あのさ、草食ってあるやん、草食男子とかいって。
ス:ああ、草食べるやつ。
ふ:そうそう。自分の乙女時代とかって、肉食全盛だったやん?バブルの頃とかさ。道歩いてて上司がお尻触るとかなんて普通にあったでしょ?で、そういうのがなくなればいいのに、って思ってて、それが少数派だと思ってたけど、今ホントにそういうのがあたりまえじゃなくなったし。
ス:ああ。ちょっと前にウノさんって総理大臣いたけど、通りすがりに女性議員の胸をわしづかみにしたとか、ね
一同:(爆笑)
カ:よりによっていちばん面白い人出してきたな。
ス:首相がそんなことしてたもんね。当時当たり前だったけど、今信じられないよね。
ふ:・・・つまり、少数派と思ってたことが、表に出て来て小数派じゃなくなってる、ていうような。今表に出てる公の思いと、くすぶってる公の思いがあるとすれば、長期的に見れば、くすぶってる方が主流になる、と。
ス:あ、うん。内在してるからね。それはいずれ表面化してって。で、今表面化してるものは、いずれ下火になる。

 

ふ:うん、うん。自分の知ってる50年間だけで云えば、そうなってるな、って。
ス:うん。てことはですよ。
ふ:うん。
ス:これは無理矢理結論づけるわけじゃないけど、ま、同類にしたら悪いかもだけど、いわゆるその、音楽的にメジャーかマイナーかっていったら、マイナーな方じゃないですか?
ふ:うん。
ス:つまりこっちは内在している方であって、これがこれから主流になるとは考えられませんか?
ふ:あ〜あ・・・。それはねェ・・・(笑)
ス:(笑)
ふ:それはねェ・・・(笑)。そこは・・・。う〜ん・・・。それはねえ・・・金さん銀さんみたいにならんと・・・分からんねェ。
ス:結論、出すのやめとこ(笑)

 

ふ:でもさ、20年前だったら、聞く人もいなかったからねえ。
ス:たしかに!
ふ:そう!受け付けない人ってのは、いなくなった。
ス:それすごく感じる。明らかにちがう。
ふ:あるよねえ。今ってさ、大企業に就職しとっても、終身てすごく少ないし、正社員て少なくて、安定してる人も安定した企業もないから、みんな立場が近くなってきたってのもあるかも。
ス:なるほど。・・・(料理を見て)あ。これ、しょう油だと思って持って来たけど、ソースだった!
ふ:どれ。・・・あ、ほんとだ、これソースだ。
一同:(笑)

 

対談後記■ 記事にはしないけど、といいながら、やはり文字起こしした箇所あり(反則〜!)。6月、梅雨の晴れ間のひとときでした。三人とも蚊にさされまくりながら、だんだん日も暮れてゆき、このあとお店に移動。ふちがみさんは、結局その後の予定がキャンセルになったものの、今日は飲めない、と云ってたのはどこへやら、トータル皆で3本のワインを開けました。蚊に食われるわけだわ。
ちなみに、この後、お中元スリッパをお送りしましたが、船戸さんから『スリッパありがとう、はいてるよ』と連絡いただきました。さすが、ふちがみさんの推理通り。
さて、奇しくも8月4日生まれのふちがみじゅんこと鈴木亜紀の、合同誕生日ツアー『めでたい女たち』、今後はもうちょっと涼しい季節にやろう、ということに落ち着きました。いつか、その日をお楽しみに。

最後に。ふちがみさんがゲストなのに、ほとんど私が自分のことを喋ってます。悪いね。

 

fin