<15>私の食卓
- 2003.10.05
- column
最近わけあって粗・菜食にしている。
自宅で時間があれば、ちゃんと下ごしらえして食事を作っている。
今日はふきがスーパーでおいしそうだったので、板ずりし、ゆがき、皮を剥き、美しい緑色になったふきを、しっかりとった薄いお出汁で煮てみた。私が板前になったら、月に何日かはけっこう美味しく作れると思う。
ただ、毎日きちんとやり続ける、ってのができないだよね。何も板前業でなくたって、主婦業でも。
それに菜食と気取っても、飽きたらじきに脂っこいものを食べるだけんね。
みそ汁のみそなんか、みそ溶きで溶くのと、そのままボトッと落として溶かすのとじゃ当然全く味が違う。だんぜんみそ溶きの方が美味しい。味がしっかり出るのでみその量も少なくてすむ。減塩にもなる。
食堂に入って、美味しい料理を出してもらっても、水やお茶がまずいとがっかりだ。
私の兄(いつも金の話をしているMでなく、その弟、Hのこと)は、水道水の塩素の匂いがわからないそうだ。そういう人もいるのだな。
そして、ドリップしたコーヒーよりインスタントを好む。それが悪いとは云わないが。同じ親からできた身なのに、ちがうものだ。
私は甘いワインがキライだ。乳酸菌飲料みたいな味のワインも。売ってる惣菜も鰻屋も何も、甘いのが多いからキライだ。調味料が濃いのもキライだ。その方が日持ちするのもあるんだろう。そういう『経済』とか『流通』とかの匂いのする食べ物も嫌いだ。
そのくせデザートは『甘さひかえめ』とか云ってる。甘いものには甘いものの幸せがあるんだから、しっかり甘くあるべき、と考える。
それからやっぱりどろどろのプリンをどこもかしこも売らないで欲しい・・と、さくらえび通信やら何やらで何度も云っていたら、今日テレビに出ていた女性タレントが、どこでも最近どろどろのプリンしかない、と嘆いていた。なんだ、みんなそう思ってたなら尚更だ、と思った。いや、みんな、ったって、今のところ私とそのタレントだけですが。
あ、なんかイバッテル人みたくなってしまった。
それにしても、肉をやめてみると、なんと体の軽いことだろう。一生やめるつもりは毛頭ないが、今はその軽さを堪能している。あんまり軽くなると小鳥のようないい人になってしまいそうなので程々にするが。いや、小鳥は虫を食べるからアレは肉食と云うのか。
ふきの葉は、湯がいて1日水にさらし、炒め煮にしておいて、たきたてのご飯にまぜる。
そういうことをキチンキチンとしばらくやっていると、ちゃんとやってマス、という感じがイヤになって、ある日ぱったりやらなくなる。小さな池で正しく泳ぎ悦に入る虚しさのようなのを感じて。でまたある日始める。そのくり返しだ。
食器や家具もそうで、ひとつひとつお気に入りのを揃えて、ホラ素敵でしょう!とやってるのもシラけるので、結構こだわってお金使ったものと、どうでもいいものが混在している。そしてなぜかこだわって買った方を先に割る。
それにしても自分の為に自分の健康を考えた食事を手間ひまかけて作る、というのは贅沢でなにか小乗的だな、と、選挙でテンテコマイの政治家の人々をテレビでみながら思う。
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