column

1/9ページ

<88>心のスキにマツコさま

  • 2021.08.21

 暮れて気づけば、月が妙にクッキリしている。  えっ、もう秋? … か。   (コロナのせいで)アタシの季節感が狂ってて…というのもあるが、(コロナでなくても)そもそも、月日の経つのに追いつけてなかったんだっけ…。      きのう、自ら志願して、友人の庭の草取りしに、久々に自転車をこいでいった。タイヤの空気が抜けかけていて、太もも […]

<87>海の時間(釣りばなし)

  • 2021.05.20

 釣りをはじめて2年。  海が遠くて、しょっちゅうは行けない。思いはつのる一方だ。    晴れた空を見ては、ああこんないい天気になるんなら早起きして釣りに行くべきだった。予定がキャンセルされたら、なんだ早く言ってくれれば釣りに行ったのに。スーパーにならぶ魚を見ては、ああ自分で釣ったのに比べてこの子はなんと物憂げな顔、とか。とにかくいつも『釣り目線』で、それがちょっと自分でウザくさえある今 […]

<86>あいもかわらず小泉八雲

  • 2020.12.30

 この上なく妙な一年、2020年が終わろうとしている。 そのことにもっと『ひと区切り感』の欲しいところだが、人ともあまり会わない今、すっかり『こよみ感覚』も狂ってしまい、それほど感慨も湧いてこないのが正直なところだ。  もしかして知らないうちに私は、もうパラレルワールドに入ってしまったのか?7月とかに?  とはいえ、今年最後のライブは充足感を得て、いい終わりができたからよかった。 そのあとは、この […]

<85>ベリンダとベイルート

  • 2020.08.16

ベイルートの爆発から10日が過ぎた。 こんな大惨事が起きたのは、奇しくも(そして悲しくも)自分の誕生日8月4日だった。 8月5日の朝、起き抜けにこれを知ってすぐ、デンマークのベリンダに連絡を取った。数年ぶりだった。 ベリンダと私は、2017年の11月、旅をするのに最もふさわしい11月、ベイルートの安宿で出会った。初対面のそのとき、ベリンダは全裸だった。巨大な茶褐色の物体が安宿のベッドに横たわってい […]

<84>小泉八雲とわたし

  • 2020.06.15

2020年7月4日、5thフルアルバム『雲と波』発表にちなんで。 ラフカディオ・ハーン。 西洋人にして、とても小柄。 生まれながらに、極度の弱視。 しかも、のちに片目を失明。 16歳、片目と父と母も失くして、お金持ちだったおばあちゃんも死ぬ間際に事業に失敗、すってんてん。 さあ、無一物。そこから何年も世界を渡り歩き、最後に見つけたのがこの日本。 自らに小泉八雲、という名をつけた。 …いつかこのこと […]

<83>かつてない休み

  • 2020.04.06

 初めてもらうメールが、『お世話になっております』から始まることに、違和感を感じてきた。 最初は『お世話してませんよ』と小声でツッコんだくらいだったけど、いつからか、確実に少しイラつくようになっていた。『だから、会ったこともないのに、お世話なんてしてないって』、に。 だいたいこういうのは、このホームページのコンタクトから無差別に送信されてくる、スパムや売り込みで、定型をペーストしてるだけなんだろう […]

<82> 死ぬならここ

  • 2018.11.17

 今年も11月が来た。それも、はや半ば。  11月は不思議な月だ、と毎年思う。自分も世界も、なにか実態が薄くなるような、スキだらけのような、ふっと宙に浮いたような感じを覚える。それでいて、我に返ったみたいに、この宙に浮いた、スキに入り込んだのが本来の時間のような気に、させられる。  気温とか日差しとか、そういうことに関係してるんだろうか。    去年の今日、私はレバノンにいた。 地中海に […]

<81>ああ、生殖

  • 2017.07.18

昼に焼きそばを作った。 ココナツオイルで新鮮な野菜をたくさん炒め、生姜も入れて豪華。豚肉は国産、再解凍じゃない。下味もちゃんとつけた。仕上げにコリアンダーを載せる。ちゃんと作っていい気分。焼きそばの出来上がりにあわせて、なめこのスープを温めて器によそった。 右手に焼きそば、左手にスープを持ってテーブルに運ぼうとしたとき、至近距離の流し周辺にコバエが見えた。それまでのどことなくいい気分がイラっとに変 […]

<80>スピーカーを直す

  • 2017.01.24

愛用していたスピーカー、ONKYO Liverpool D-200II、30歳。このところザラザラという音がしてたが、ついに壊れた。年を経たスピーカーの運命としては、順当な経過らしい。 最近、恥かしながら、多感な頃のように『単に自分のために』音楽を聴く、ということがすっかり減っていて、ライブ活動してるくせに、音楽から遠ざかりつつつあるような気がして、密かにアタシ大丈夫かな、と感じていた。理由は、慢 […]

<79>夜の自習室

  • 2016.12.14

あっという間に2016年も師走。 きのう、11年間と半分(11年と半年、と云えばいいのか!)、ほぼ毎月ライブをしてきた外苑前Zimagineの最後のライブだった。花束やワインをいただいて、帰宅した。うっかり定年退職したお父さんの気分になりかけたけど、いやいや、Zimagineは移転するのであって(どこになるかはまだ公表されてないけど)、私もまだ現役です。 今にして思えばZimagineは、自分のい […]

1 9