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Aki Suzuki meets Liliana Herrero (from Argentina)

  • 2006.10.23

2004年5月、アルゼンチンまでLiliana Herreroのライブを見に行き、いつか日本に来てください、と頼みました。翌年日本で、全て手焼きしたアルゼンチン写真展を開き彼女を紹介しつつ、オーマガトキレコードにCD『Confesión del Viento』の日本版『風の告白』発売を働きかけ実現、そして2006年10月、ついに初来日にこぎつけました。 アルゼンチン側ミュージシャンにMariano […]

<35>秋のはじまり

  • 2006.09.03

友人Bがしばらく日本に来ていたが、さっき、旅先の北海道からおそろしく聞こえの悪い電話をよこして、明日国へ帰ると云う。 Bはガサっとしたスペイン語で、なにやらいいたいことだけ早口で喋ると、『じゃあね、良く聞こえないから切るよ、アキ、元気で、今度は国を出る前に日本へ行くって連絡するから、アディオス』と切ってしまった。 私が喋ったことといえば、昼間東京では結構大きな地震があって上からモノが落ちた、という […]

<34>夏、家をあける

  • 2006.06.25

夏は特別な季節だ。子供の時のなごりかも知れない。つまらない学校に行かなくていい、誕生日がある、日が長い、お祭りがある、花火大会がある。こんなゴールデンな季節が他にあるか、と思った。 おかげで、いまだに夏は特別な季節だ。窮屈な上着を着なくていい、だからどこへ行くにも荷物が軽い、日が長い、お祭りもある、花火大会もある。誕生日はそんなに嬉しくもなくなったにしろ。 すっかり大人になった今、ありがたいことに […]

<33>東京について

  • 2006.02.12

考えたら、私はもう東京に長く住んでいる。生まれは地方だ。高校卒業と同時にひとり東京へ、ふつうに出てきた。 2年前、私はブエノスアイレスにいて、なんだかとても気の合う友人ができ、その人に、東京で暮らすのは好きか?と聞かれた。何年も考えたことがなかったことだから、そういえばどうなんだろう、と2、3秒考えたが、好きだ、と口が勝手に答え、意外だった。 そうだ、そう云えば私は東京が好きなのかもだぞ、と地の球 […]

<32>また、正月のこと

  • 2006.02.03

子供のころ、百人一首が好きだった。 同じ日本語なのに自分の使うのとまったく違う響きがあって、ヘンなの、と思いながら興味をもった。100コ集まって一つのもの、というのも特別な感じがした。 祖母が『歌会』に入っていた。 うたかい、じゃなくて、カカイ、と呼んでいてクールだった。ときどき南向きの6畳の祖母の部屋に集まっては、おばあさんたちが試験前の女学生みたいに紙を拡げていた。 祖母は、ほんとうに女学生み […]

<31>蛍光灯と白熱灯

  • 2005.12.07

多感な頃は、蛍光灯の光が嫌いだった。世界が寒々しく見え、ただでさえ辛いこの世をより辛いものにしている、と思った。 私は若かった。というよりも、元気だった。 もとより視力の良い私は、早く老眼になるよ、と云われてきた。そしてこの頃、『初恋』を『初老』と読み間違えたり、『物腰』が『横綱』に見えたりして、さっぱり意味がつながらず、本など後戻りしつつ読むようになった。 始終目の奥がチカチカしていて、物事に集 […]

<30>ひそかに

  • 2005.10.14

10月のある日。 このところ忙しくてバタバタしていて、このままだとどうにかなってしまう、と思い、ぜいたくな1日を密かに用意しておいた。 先月のはじめ、1万2000円のチケットを買った。1万2000円。とある男子に一緒に行かないか、と誘ったが、『行ってみましょうかね』と返事をもらったときには、もう売り切れていた。 誰にも会わない日、というのも新鮮でいいな、と、私は向かったのだ、フィギュアスケート観戦 […]

<29>リベンジ

  • 2005.06.14

久しぶりに寝込む。 ライブや仕事が立て込んで、ひと段落したところでうまく発熱した。こういうとき、宇宙の愛のようなものを感じる。ああ、これがライブのない日で良かった、と。1週間ほど本番は入ってないから、焦ることもなくゆっくり休める。もちろんその1週間にやるはずだったことは、あとからツケが来ることは来るが。とにかくライブじゃなくて良かった、と。 そう云えば、何年か前、過労ぎみだったところへタバコの煙を […]

<28>慧海と云えば・・・

  • 2005.05.14

自分の旅については、さくらえび通信なんか書いて人に云いたがるのに、そういえばあんまり誰かの紀行文を読んだことがない。 先日通りがかりの古本屋で、昭和35年に出された本が100円だったので、つい買って読んでみたらとても面白かった。当時の値段で290円と印刷されたその本は、立派なハードカバー。シミだらけだ。 河口慧海という名はあちこちで目にしてきたが、書物を読んだのは初めてのことだ。この人は日本人では […]

<27>春の雑草

  • 2005.04.01

八重桜ぼってり垂れるピンク調 ・・・春である。 感慨深い。春が来ると毎年思う、ああ、やっぱり今年も春が来たものだ、と。夏生まれのせいか、そして夏には郷の祭りがあるせいか、やはり夏を頂点とする節があり、春が来ると微かに焦るような、ああ本番が来てしまう、というような、そんな気分になる。一方、きっと若者は夏の湘南にナンパの夢見てこんな気分になるのだろう。 春である。 毎年この季節に静岡から送られてくる, […]

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